Translate

2011年9月10日土曜日

チンドン屋。

今週はエスタの推進するプロジェクトで、モバイルVCT(移動式HIV検査)の宣伝活動に行った。
大きな垂れ幕を持って、低~中所得層の民家密集地帯を練り歩く。

バイロンとその相方サイモンも一緒で、ゆっくり歩きながら何度も芝居を繰り返す。

「ドアtoドアのVCTを知ってるかい?病院に行かなくてもいいんだぜ!」
「それが来週からこの地域にやってくるらしい」
「まじラッキーじゃない?」等々・・・。

叫んでいると、多くの人が帰宅を済ませた夕方5時半ともあって「何だ何だ?」と多くの人が見物に出てくる。

バイロンたちはいつものようにノリにノッている。
面白みは全くわからないが、案の定ウケていることには、ウケていた。

私の場合は何もしなくても、ムズング(白人)効果で存在感だけは抜群。
わんさか駆け寄ってくる子供たちの相手をしながら手を振り続ける。

途中から小雨が降り出したが、エスタと傘をさしながら宣伝を続けた。
その7人の集団はまるでクオリティの低いチンドン屋のようだった。

悪い試みとは思わないが、事前に言ってくれればもう少し何とか工夫したのに。
開始30分前に言われたので仕方ない。

と思いつつ、2時間ほどやった後、各自に500Kshが日当として手渡され終了。
変な疲労感に加え、日当をもらえるほどのことを何もしていないという罪悪感が重くのしかかる。

プロジェクトの中では、宣伝費ということで処理されるお金たち。

一度もらえば味をしめる。

お金が目的になるのはもちろんで、繰り返すうちにもらって当たり前となり、これが習慣になる。

私がケニア人でもそうなると思う。

この習慣こそ、ケニアの外部からきた私が一番何とかしたいと思った部分だったはず。
ケニアのHIV/AIDSを取り巻く現場に立ってみて何とか打破したいと思った敵は、まず活動にかかわる人々の心。
外国の援助で成り立つお金ありきでは、内側の根本な解決にはつながらない。

ケニアでのこの習慣めいたやり取りが、普段一緒に活動することの多い仲間との出来事だっただけに、敵の大きさを改めて思い知ることとなった。

さて残り半年。何するかなぁ・・・。

0 件のコメント: