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2011年2月4日金曜日

エスタ。

毎日病院に勤務していた時に出会ったユースグループのメンバー。

そこで仲良くなったバイロン。

そのバイロンに付いて行った活動先で出会ったのがエスタ。


実は先々週からよく活動を共にしているこのエスタは市会議員である。

出会った時からあまりにも気さくなエスタだったため、議員であると気付くのに3日もかかった。

共に町を歩けば、多くの人が「エスタ議員!エスタ議員!」と、声を掛けてくる。

無言で10mも進めないほどである。

その度にエスタはみんなと楽しそうに話し、

市役所から彼女の事務所までの500mがなかなか進まない。

ストリートチルドレン達も、駆け寄ってくる。

しかし、いつものようにお金が欲しいとはいってこない。

ただ、エスタとコミュニケーションをはかりに来るだけである。

トラックの荷台に乗った大勢の労働者達に取り囲まれたこともある。

彼らはエスタに雇用先を与えてくれと懇願していた。

言えば何とかしてくれるかもしれないという存在なのだろう。

昨日会ったセックスワーカー達も、「エスタとなら会ってもいい。話も聞く。」という雰囲気があった。

私は、そんなエスタが大好きである。


子供と女性のために活動している彼女の目線は常にフィールドに向けられている。

「コミュニケーションは何より大事。相手を知らないと問題が見えてこない。

何かあったときに助けてくれるのは、一般のこの人たちだからね。」

とエスタはよく言う。

その中でも、いつも聞く口癖は「これは大きな問題よ。」という言葉。

ケニアにいると「問題点はどこにあるか?」「原因は何か?」

などの視点で物事を見る習慣のない人の多さに気がつく。

そういった視点は、向上心を持ってこそ初めて気付くものだからだ。


そして、エスタの場合その後に続く行動が何ともはやい。

「お金がないなんていってたら何も始まらない。

 自分が必要と思ったらまず行動。自腹を切ってでもかまわない。

 本当に必要なことは、必ずみんなに認められる。

 認められている活動には援助団体も必ず援助したくなるんだから。」

援助団体の心理をうまくついた途上国ならではの発想ではあるが、

みんなが笑顔になれるサイクルを作り出している。


昨日の午後は市長とエスタと共にナイバシャ内の小学校慰問にいってきた。

市長の横に座り、生徒の前で女の人生や夢を持つことの素晴らしさを語る。

この状況は一体何なんだろうと自分でも思いながら

貴重な経験をさせてもらったことに感謝をしている。


全てがたまたまのようで、必然のような出会い。

また新たな出会いを得たことによって、この人の目を通したケニアに触れられる。

私の凝り固まった色んな感情を揺さぶってくれる。

目の前にあることを、しっかりと自分の心で受け止めていきたい。

これからのエスタとの活動が楽しみだ。


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