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2010年10月26日火曜日

初会議。

今日は朝からセンター内が慌しかった。

ある人物の忠告により、11時過ぎからセンターにチャイ(お茶)のため医者がいなくなることと、午後の業務がしっかり回っていないという勤務体系で患者の待ち時間が長くなりすぎていると指摘されたのだ。

みんな、その指摘を誰がしたのだろうとあれこれ詮索している。

大方の予想は、以前私が意気投合したイギリスの大学教授であるローラ。
“あのMzungu(ムズング=白人)に違いない”
みんな自分のことを棚にあげて、好き勝手いっている。

そして、ドキドキしているのが私。

先週、「便利屋。」の回で書いた通り、「自分の力で何とか内部からやってやろう」と思った次の日の今しかない!というタイミングで、うちのセンターの上司にあたる私のカウンターパートが支援団体のリーダーと共に一日中視察しにきたのである。
いきなりのチャンス到来!!
前日のブログでの発言をすぐに撤回し、このセンターについて日々感じていることやこれからの改善点をいくつか個室でつらつらとカウンターパートに告げている私がいた。

“運悪く午前11時過ぎに来た人はスタッフがランチから帰ってくる午後3時前にしか診察が始まらない。私がここの患者だったら、このセンターにまた来ようと思わないです。”

私がそう告げた私のカウンターパートが動いたのかもしれない。
ドキドキしながら、朝のみんなの様子を眺めていた。

そして午後の空いた時間を使って、スタッフ全員集合の会議が行われることになった。
私の赴任以来初めてのことだったが、同僚たちも今回が初めてだったらしい。

会議開始と同時にみんなで神にお祈り。
真面目にぶつぶつと祈る彼らに驚く。

毎週末に教会へ通う彼らの神への崇高な祈りが、どう回り回って彼らのいい加減な行動に反映されるのかが些か理解できない。
会議の行方など、神にお願いするのでなく、自力で何とかしてくださいね。
と、つい皮肉づいてしまう。
彼らのことが嫌いなわけではないことを、付け加えておきたい。

さて、始まった会議。
議題は①患者の待ち時間の長さ②11時以降のスタッフの不在③患者への説明の不行き届き④センターのスペースの狭さ、についてだった。

議題には私が告げていないことも含まれていたため、この施設を改善しようと思っている人が他にもいることにここで気付いた。

みんな口々に意見を発し続ける。
最初よりは、少しばかりわかってきたかなと思っていた言語。
そんな自分の浅はかさを思い知るには十分過ぎる会議だった。

スワヒリと英語が完全にミックスされ、まくし立てる口調の会議。全く、ついていけない。
いざ!というときの決め台詞も用意していたが、全くお呼びでない様子。

しかし、雰囲気を感じるのには十分だった。
言葉が端々しか聞き取れない分、話し方や声色、表情、動作から、誰が言い訳ばっかり並べていて、誰が建設的な意見を言っているのかが言葉に惑わされずに感じ取れた。

論点がずれているとすれば、誰も患者の立場で物事を考えていない点だろうか。
一番の問題点だが・・・。

そして、会議終盤、このきっかけを作った他の病棟の年配看護士が登場した。
すごく強い目をしていた。
「この人の意見によって、初めての会議が開かれたんやなぁ。
午後にバラバラに暇をつぶしていたスタッフを動かしてひとつにしたのか。」

そう思うと、少し嫉妬した。

今回私が感じていたことと、彼女が感じていたことにあった多くの共通点。
一石を投じるには十分な気付きはあった。

会議終了の祈りを終えた午後5時過ぎ。
いつもならみんながとっくに帰っている時間帯。
患者に「明日来るように」ときっぱりお断りしている時間帯。

いつもと違い3名の患者を引き続き診察するスタッフの姿があった。
これがこのまま続くとは、思わない。

でも、きっかけって投じてみないとわからないし、ちょっとしたことでいいのかなと思う出来事だった。
良くも悪くも、とても素直な人たちであることには違いない。

きっかけの与え方、こちらの関わり方次第である。

主力は彼らだ。

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